就農準備 就農計画立案、実行

2021年3月1日

はじめに
本頁では、就農準備の第二段階である"就農計画立案"について 私たちの経験を基に、
これから準備する方向けに記載しております。

“就農準備 方針検討"の頁で、どのような形で農業界に関わりたいかのイメージができたら 次に、
具体的な就農計画立案を行い実行していきましょう。

実は、"就農"するまでには、ざっとこのぐらいの項目について検討し、実行する必要があります。

・農業収入が安定するまでの期間の生活費の確保
・研修先/就農予定地の選定
・研修実施
・就農予定地近くへの引っ越し、作業場所の確保
・就農予定地の確保
・機械購入計画

これらを実行し、就農予定地の市区町村の農業委員会で、農地法第3条許可を得て
就農となります。

これらについても、私たちの実体験を交えて、ご説明します。
 

農業収入が安定するまでの期間の生活費の確保  

 
ポイント
・最低3年間は農業外収入で暮らせるよう計画する
・認定新規就農者となり、年間最大150万円の「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」を受給する

私たちの実績として、就農準備の具体的な計画を立て始めてから
農地法第3条許可が下り就農するまで1年半近く掛かりました。

非農家からの就農としては、かなり早い方ではないかと思います。
ただ、就農から初収穫まで1年近く掛かっております。
※上記は栽培する農作物に左右されます。

当然、最初は作業も不慣れであり、栽培技術も未熟であるため、
一般農家の倍の時間を掛けて 収量が半分なんてこともありました。

一人前になるまでの間、体力も精神力も削られた状態になりますので、
さらにアルバイトで 生活費を稼ぐというのはとてもお勧めできません。

そのため、生産が軌道に乗るまでの間の必要生活費を割り出し、
最低3年は農業外収入で暮らせるように資金を貯めた後
会社を辞める、就農予定地へ引っ越しをする等の
後戻りできない計画を実行に移すことをお勧めします。

また、45歳未満の方は、
「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」を受給するという手段があります。

この制度の認定を受けるためには、就農計画書を作る必要がありますが、
非農家から農業で成功するためには計画書の作成はとても重要です。
→作成方法は別頁でお伝えいたします。

私たちは、夫がサラリーマンを継続し生活資金が途切れないようにし
妻が専業農家として「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」を受給することで
この問題をクリアしました。


ゼロから就農するということは、計画を立て、その計画に沿って作業を行い、
計画と実績に乖離がある場合はその原因を追究し、是正していかないと
継続営農できないと考えております。
※実家が農家の方は、計画概要を元々理解しており、
さらに機械や資材の使い方、実際の農作業手順までも
ある程度把握されているケースが多いです。

研修先/就農予定地の選定

 
ポイント
・立てた方針に沿って就農研修先を探す
・引っ越しを伴う場合は、事前下調べを十分に行う
・就農予定自治体が就農支援に積極的か確認する
・農地中間管理機構で管理している土地を確認する

いよいよ、具体的な行動開始です。

まずは研修先を選定します。
現在のお住まいと、就農予定地のどちらからも通える場所をお勧めします。

研修前に思い切って引っ越ししてしまうと、研修先が想定と著しくかけ離れていた場合に
辞めて別の場所に切り替えることが困難だからです。

又、就農予定地から遠いと、就農後に相談しに行くことが困難になります。
※私たちは、この辺りを理解せず、就農予定地から就農準備を
 始めましたが、方針がある程度固まっていれば研修先から選ぶ方が
 良いかと考えています。


そして「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」を受給する予定であるならば
認定されている研修先を選択する必要があります。


なお、農地法第3条に基づき就農予定地の各市区町村から許可を受けることで
農家となります
さらに「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」の受給決定も各市区町村が
決定します。
→この部分の詳細は、妻が書いたコレを参照ください。

このように、"どの市区町村で就農するか?"により条件・対応レベルが
異なってきますので、就農予定地の市区町村が新規就農者に対しどのような
支援をしてくれるのかは事前確認しておいた方が良いでしょう。

実例はこちら↓
市役所との面談

さらに、今後、就農予定地を拡大できそうかを確認するために
中間管理機構のホームページを確認しておくことをお勧めします。

全国農地ナビ

 

研修実施

 
ポイント
・栽培の流れを掴む
・出荷基準を体感する
・機械の操作方法を覚える
・使用資材、肥料、農薬を覚える
・繁忙期を把握する(臨時雇用想定)
・就農予定地取得支援を依頼する
・就農後に相談に乗ってもらえる関係を築く

上記を意識し、研修実施します。

妻には、ネギ出荷を想定した短期バイトと、
「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」の受給条件の一つである
認定機関での研修の2段階実施してもらいました。

その体験記はこちら↓から
短期バイト体験記
研修先での研修体験記(事前面談)
研修先での研修体験記(実践編)

 

就農予定地近くへの引っ越し、作業場所の確保

 
ポイント
・大雨や台風、豪雪等の異常気象が発生した場合、すぐに様子を見に行ける場所に引っ越す
・農家住宅への引っ越しを狙う
・農家住宅以外に引っ越した場合は、軽トラ、トラクター等の農業機械を格納、収穫した農作物を保管できる倉庫を借りる
・どちらも借りれない場合は、ビニールハウスを設置することを念頭に引っ越す

見落としがちなのが、農業機械の格納場所、収穫した農作物の一時保管できる場所の確保です。
私たちは作業場所を確保する必要があることを見落としており、
引っ越し後に運よく倉庫を借りることができました。

又、野菜の物々交換ができ、土地の情報も入ってきますので、ある程度、集落の中に
住むことを推奨します。

就農予定地の確保

 
ポイント
・農地法第3条に基づき、地主との間で賃借契約を締結し農地を借りる
 ※初めて農地を賃借する場合は、地主との間で事前合意した後、
  市区町村の農業委員会で農地法第3条に基づく許可が必須
・規模拡大時は、中間管理機構を活用して農地を借りる事も可能
・初めて農地を賃借する場合は、市区町村か研修先、地元の農業委員等の紹介が必要なケースが多い
・賃借契約は契約書面で取り交わす

農家となるためには、耕作可能な農地を所有、または賃借していることを
市区町村の農家台帳に載せてもらう必要があります。
そのためには、農地を所有、賃借していることについて
農業委員会で許可を得る必要があります。

これを行わずに農地の貸借を行うことを"ヤミ小作"と呼ばれています。

また、初めて農地を賃借する場合は、新規就農者の信用力が無い状態であるため、
口利きが必要なケースが多いです。

実例はこちら↓
市役所との面談

私たちは、仮住まいのアパートの大家さんが農地を所有していたのと
JA経由で農地をあっせんしていただき、賃借できました。

一度、耕作を始め、農地として利用していることが認知されると
借りてほしいとしばしば頼まれるようになってきました。

機械購入計画

 
ポイント
・汎用機械は中古で購入する
・メーカーサポートが必要そうな機械は、新品で購入する
・将来の規模拡大を想定し購入計画を立てる
・離農農家情報が入ってくるよう、日ごろからネットワークの構築を心がける
・オークションでの購入は、外れ品がグルグル回っている可能性があることを意識する

軽トラと管理機は必須です。
ただ、私たちはトラクターは土おこしや整地作業ごと外部委託しており、
所有しておりません。

汎用機械で購入してよかったと思えるのは動力噴霧器です。
液肥や農薬を散布するのに、手動の噴霧器とは労力も効果も全然異なります。

参考までに、私たちが購入した農機具になります。
就農時に購入した農機具

あと、ネットオークションでは、見栄えは普通だが、
動きが悪い中古品が出回っており何度か遭遇したことがあると、
メーカー代理店の担当の方が仰ってました。


ただ、離農農家から中古を安く購入できるのであれば
それが一番良いと思います。軽トラで運べば、運送費も発生しないです。

最後に、機械購入は就農必須条件ではありませんが、
就農時までに購入時期を決めておかないと、
就農後にドタバタすることになりますので、気を付けましょう。

*ただし、農業次世代人材投資資金(経営開始型)申請時には,
主要な機械・施設を所有または借りていることが必要。

*農業次世代人材投資資金(経営開始型)は就農日から5年間給付金がもらえます。
就農日は、通常は3条の許可が下りた日ですが、3条許可前に機械を持っていると、
その機械の購入日が就農日となってしまうので注意が必要です。

以上、全てを計画、実行することで、ようやく”就農”可能となります。
ここからさらに、"収益"を上げる方策を検討する必要がありますが、
それは又、別頁でお伝えいたします。