就農準備 方針検討

2021年3月1日

はじめに
本頁では、就農準備の第一段階である"就農方針検討"について
私たちの経験を基に、
未経験(非農家)から独立(新規)就農を検討されている方向けに記載しております。

“就農とは"の頁で、まずは以下について考え方をお伝えしました。

・雇用就農/独立就農
・農業界のどの分野を目指すのか
・就農場所


私たちは、独立就農、生産、都市近郊という比較的ハードルが低い道を選択しました。


次に検討したのが

・農作物
・栽培方法、栽培場所
・栽培品目、品種
・出荷方法
です。  

私たちは野菜農家として就農したので、その判断過程をお伝えしたいと思います。

農作物の検討

 
ポイント  
農業生産できる物は、大別して 米、野菜、果樹、畜産 です。
・収益の上げやすさ
・ノウハウ獲得の容易さ
・機械設備投資額の少なさ
・その農作物(畜産)を愛せるか
を基準に選択することを推奨します。

まずは、農家として独り立ちするまでの間、農業を継続できる環境を整える必要があります。
そして最後の"愛"が、作物の品質の決め手となります。

未経験(非農家)からの独立(新規)就農が前提となると、
・畜産は設備投資額、ノウハウの点から対象外となります。
・米も同様に多額の設備投資が必要、且つ、何十haという大規模農家であれば収益も上がり、
 将来有望ですが、都市近郊ではその面積確保が困難なのが現状です。
・果樹も収穫可能になるまで、何年も待つ必要がありますので困難かと思います。

以上の理由から、私たちは"野菜"を選択しました。


ただし、以下の場合は例外になります。

離農等により、資産を継承できる場合

上記の場合、そもそも離農理由が"収益面から継続不可の為"であれば要検討ですが
高齢化且つ後継ぎ不在であれば、検討の価値アリです。

※たとえ収益面が理由でも、
・作業手順改善
・設備投資
・販路開拓
により、改善は可能です。

 

栽培方法・栽培場所(野菜)

 
ポイント
・慣行栽培、有機無農薬栽培
・露地栽培、ハウス栽培
から大まかな方向性を決めることを推奨します。

減農薬栽培や、無肥料(自然)栽培という選択肢もあります。
また、露地栽培とハウス栽培の複合という選択肢もあります。

ここは就農動機と密接に関わるところです。

 有機無農薬栽培は、慣行栽培に比べ、生産ノウハウが必要と考えます。
 特に、農薬を使用できない為、病害虫の防除ノウハウが必要です。

 また、ハウス栽培もハウス投資をしたが、想定通り生産できず、借入金を返済できなくなるリスクがあります。

 私たちは、生産ノウハウが未熟であり、多額の借入金を返済できなくなるリスクを回避する為、
 ”露地慣行栽培"を選択しました。

栽培品目、品種(野菜)

 
ポイント
・野菜の種類:葉茎菜、根菜、果菜等
・種子の種類:固定(在来)種、F1種
・国基準:指定野菜、特定野菜、その他

野菜の種類以外に、種子の種類や国基準を加味し、品目、品種を選択することを推奨します。

 ほうれん草であれば葉菜類、大根であれば根菜類、トマトは果菜類といったように
 野菜は~"類"で大別されています。

 この中で、ほうれん草、大根、トマトといった品目があります。

 更にトマトでも
 ・桃太郎
 ・ファーストトマト
 ・フルティカ
 ・アイコ
 というように、沢山の品種があります。

 

 これら無数の品目・品種の中から何を作れば良いかの判断基準に使えるのが
 ・野菜の種類:葉茎菜、根菜、果菜等
 ・種子の種類:固定(在来)種、F1種
 ・国基準:指定野菜、特定野菜、その他
 です。

 私たちは、後述の出荷方法、前述の栽培品目・品種(野菜)と上記を組み合わせて検討し
 ”露地慣行栽培でネギと里芋を生産"を選択しました。

出荷方法

 
ポイント
産直出荷、JA出荷、スマホアプリでの販売、ネット(自社サイト)での販売、
スーパー、百貨店への卸売、飲食店・個人宅への個別宅配
があります。
※他にも有るかもしれません。

観光農園を開設できた場合、そもそも出荷は不要です。
また、農林水産省は特定品目の海外輸出を奨励しています。

慣行栽培の場合、JA出荷が最も確実です。
理由は大量の野菜を一度に出荷可能だからです。

希少価値の高い野菜は、ネットや百貨店で販売し利益を上げることができますが
指定野菜のような野菜は、経営を安定させるためには、大量出荷できる
出荷先の確保が重要になります。

少量出荷だと、梱包作業や伝票作成等に時間を取られてしまうからです。

有機農家にもヒアリングしましたが、同様に大量出荷先を確保するよう心がけているとの事でした。


又、JA規格外野菜の販路開拓も必要です。
大量栽培すると、どうしても家庭内では消費しきれない大量の規格外が出てしまいます。

私たちは当初、産直出荷していましたが取りやめてしまいました。
理由は、産直は売れ残りを毎日、引き取りに行く必要があり、
また、袋詰め作業に思いの他時間が掛かったからです。

代わりの販路として
・飲食店の軒先に置いてもらう
・家の近所で1袋100円で売る
・地元の飲食店に出荷する
にてJA規格外品を販売しております。